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2012年7月23日月曜日

日本企業の意思決定スピードは、欧米・アジアより4倍遅い

近年、いろいろな場所で、日本企業の意思決定の遅さ(特に製造業)が、話題に上っており、米国や中韓台の企業に対して後れを取っている主要因として語られているようです。

これまで、米国の企業と日本の企業で働いたり、海外の顧客とのやり取りをしてきた経験からいうと、「日本企業の意思決定スピードは、欧米・アジアより4倍遅い」ということがいえると思います。

理由は単純で、日本企業の投資や組織変更の意思決定が基本的に会計年度を基準に行われるのに対して、海外では四半期を基準に行われるためです。

海外では、株主中心の経営が一般的なため、四半期の決算報告は非常に重要な意味を持っており、その結果は経営者の退任につながることもしばしばです。
そのため、四半期の業績が悪いと予想される会社は、四半期発表に合わせて、株価をプラスに戻すようなリストラや事業再構築の発表を同時に行います。

製造業における日本企業は、未だに秋に予算をまとめて冬に次年度の投資・組織を決定して4月の新年度開始に合わせて実施するという、年間行事のような意思決定習慣を変えられていません。得てして、急いで実施すべき投資案件等も、「なんとなく」4月まで先延ばしにされ、最悪の場合11か月放置されることになります。人事異動や組織変更についても全く同じです。
「業務効率の最適化」が「経営」よりも優先されているといっても過言でもないでしょう。

同じ国内でも、小売業界などは、1年単位というのんびりした管理は行っていません。
小売りでは1年を月ではなく週単位に割って「第xx週」という形で管理するのが当たり前です。つまり月次で管理するのよりも4倍速く管理サイクルが走ることになります。
最近、製造業に比べて、商業・サービス業で、積極的に企業の合従連衡や買収、再構築が盛んで新陳代謝が進んでアジア進出を積極的に進めるなど元気のいい企業が多いのは、このあたりにあるのかもしれません。

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