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2013年12月20日金曜日

猪瀬知事の「バカの壁」は、取り除いた方がバカだった?

今(悪い意味で)すっかり時の人になった猪瀬(元〕知事。
オリンピック招致と並んで成果として目立ったのが、東京メトロと都営地下鉄の壁の取り払い。
特に、九段下駅の新宿線ホームと東京メトロの半蔵門線ホームを隔てていた壁を「文字通り」撤去させたことが、思い起こされるだろう。

今は下の写真の通り、壁が取り払われ、以前二面二線の対面式ホームがそれぞれ二つあったのが、三面四線の一体化したホームになった。
(左が新宿線新宿方面、右が半蔵門線押上方面)


元々、大半の株を東京都が持っている東京メトロと、都が所有している都営地下鉄が、仲が良くないで連携が取れておらず、都民の利便性が犠牲になっている、ということで、猪瀬知事がその馬鹿らしさの象徴として「バカの壁」と呼んだものだ。

実際、上記の九段下の壁の他、岩本町ー秋葉原の乗り換え駅扱いや、六本木駅での日比谷線ホームと大江戸線ホームの相互通り抜けなど、便利になった点も多い。

しかし、一番話題になった九段下駅の壁の撤去は、「意味がなかった」と言える。いや、実際壁を撤去する費用がかかっただけ、無駄なお金を使っただけだったという「バカの壁のバカな撤去」という二重のバカを重ねることになったと言える。

それは何故か?

メトロの地図を見てみるとわかります。

壁が撤去させたのは、新宿線新宿方面ホームと、半蔵門線押上方面ホーム。
よく路線図を見てみると、この乗り換えパターンって、誰が使うの?と思いませんか?
新宿線から半蔵門線への乗り換えは、本八幡方面から来て、押上方面に乗り換える方向になる。
でもそれだったらもっと手前の住吉で両線が交差しているから、そこで乗り換えればいいよね?
住吉ー九段下間の半蔵門線の駅に降りるとしても、馬喰横山や小川町で他線に乗り換えられるので、九段下周りは遠回りになる。
乗り換えにくい水天宮前や三越前にゆく場合でも、当然住吉乗り換えを選ぶだろう。
唯一あるとすると、岩本町駅そばに住んでいる人が三越前にゆく場合くらいか?
(それすら歩いても行けそうな距離なのでほとんどいないだろう。)
逆の半蔵門線から新宿線への乗り換えも同様。
渋谷方面から来て新宿方面に乗り換えるなら、大江戸線や丸ノ内線、有楽町線が便利。
あるとすると半蔵門駅利用者が曙橋にピンポイントでゆく場合くらいか。
このような利用者は、前者は一日数人、両方あわせても一日20人くらいがいいところではないか。


おそらく、赤坂見附やJR御茶ノ水のように、方向別ホームで便利になると目論んだのだろうが、出来たのは「逆方向別」ホームで全然便利にならなかった。

これと似たレイアウトにJR代々木駅がある。
山手線渋谷方面と総武緩行線三鷹方面が同一ホームになった「逆方向別」ホームだ。
でもこちらの場合、池袋から来て千駄ヶ谷や信濃町に行ったり、千駄ヶ谷や信濃町から原宿、渋谷、品川に行ったりと、結構利用価値はある。しかも、隣の新宿駅は「方向別ホーム」で、両駅合わせて行きも帰りもほとんど同一ホームで乗り換えができる。

猪瀬知事は、多分地下鉄に乗ったことがないのでしょうね。


1 件のコメント:

  1. ちょい待ち、エスカレーターや階段の共用と改札の共用を考慮しないでどうする!?

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