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2015年5月31日日曜日

Apple Watchを1ヵ月使ってみてわかったこと - ウエアラブルのあるべき姿

最近、ITウオッチャーの人たちが書いたAple Watchの評価記事で「iPhone取り出す回数が減る。iPhoneを取り出すとついついいろんな情報をチェックしてしまうから。Apple Watchを使うとスマホ依存が軽減されるのが素晴らしい」って良く見るけど、ピンとこない。

ついてにいろんな情報を見てしまうのは、好きで見てるんだから、それが減ったことをメリットみたいに話すのも無理がある。要は、そういったことまで言わないと、Apple Watchをほめにくいということだろう。

● どんなウエアラブルでも画面は見にくい


Apple Watchを出荷開始初日の4/24に入手して、1か月ちょっと使ってわかったけど、画面が見にくい。腕時計を見る操作というのは手首を上げてひねらなければならず、以外と不自然な動作であったことを改めて思い出した。


この無理な操作をするんだったら、ポケットからiPhone出しても同じ。
考えてみると、腕時計にかかわらずウェアラブルはどこに付けても画面が確認しにくい。
身体のどこかで、ほどんど動作をせずに視線を変えるだけの見やすい場所は、唯一、手のひらと手首の内側しかない。だから、iWatchがiPhoneより見やすくなるには、(女性のように)内側につけてもかっこいいデザインにして、しかもその習慣を男性に浸透させないといけない。
かなり高いハードルに思える。

これが無理とすると、スマートフォンの外部ビューアーのような位置づけの現在のApple Watchのコンセプトは、定着せず成り立たないということになるだろう。残念ながら。

またここから予測されるウエアラブルの未来は、

1)既に複数のニッチメーカーから出てきている、スマホでは不向きな用途に特化したスポーツやヘルスチェック用途

2)ドコモのドコッチのような見守り・追跡系の用途。

1)と2)のいずれも、画面よりはセンサーと記録を重視している。つまり視覚に依存せず情報を見たり指示を出せる仕様だ。あとは、

3)Google glassのように、現在の視界にシームレスに情報を提供するもの。こちらは視覚重視のウエアラブル。

というところに行き着くと思われる。これらはApple Watch以前から先行製品が出ていたものである。
このあたりは永江一石氏がブログ「More Access, More fun」の過去のブログ記事で、
Apple Watch発売のかなり以前から予測されており、さすがと思う。


●Apple Watchの生き残る道


結局、Apple Watchは、ウエアラブルの発達の過程で生まれた異端児であり、最終的にはこれまで予測されてきた用途に集約され、iPadがタブレットを切り開いたような新しい世界を作るには至らないのだろう。

もう一つ、Apple Watchが生き残るとすると、iPad/3G/LTE対応版と同じように単独のデバイスとして完全な通信機能として動く場合だろう。
わたしも過去にそうだったが、非iPhoneユーザー(Android / Windows / ガラケー)が、Appleのデバイスを持ちたいというニーズは大きい。スマホとはちょっと違ったことができる2代目の通信デバイスということであれば、大いにニーズはある気がする。

現在のApple WatchはiPhoneが母艦としてないと機能せず、完全にiPhoneユーザー向けのデバイスなのだが、それよりもAndroidを始めとした非Appleユーザーに、2台目のデバイスとして販売するほうが本命と思える。
もしかしたら、Appleのことだから、そんなことは百も承知で、最初の捨石と割り切って初代Apple Watchを売り出したのだろう。

ちなみに、私はというと、現在のApple Watchに失望しているかというとそうでもない。
カジュアルでおしゃれな腕時計としては非常によくできているので、気に入って使っている。
1万、2万でG-shockやSwatchを買っていたような私のような層が、カジュアルで高級感があるけど古臭くないデザインの腕時計を5万くらいで買いたい、というニーズは確かにあって、Apple Watchはそれにぴったりである。
(アウトドアではなく、都会生活でのカジュアルシーンに似合う腕時計という位置づけである)
ただ、それはあくまでもファッションとしての用途なので、ウエアラブルの将来とはならないのである。


[参考記事]
Apple Watchで使えるアプリ!?
Apple Watchのバッテリーの持ち
Apple Watchの使い方
Apple Watchへのアプリのインストール方法

2015年5月22日金曜日

大阪都構想が否決された理由は、高齢者でも南北格差でもなく、市民が市町村合併と受け取ったから!?

大阪都構想が住民投票で否決された理由について、今週に入っていろいろな解釈(推測)がされている。
出口調査の結果を用いて、70代や南部各区で反対が賛成を上回ったことから、高齢者が無料バスの削減を心配して反対に回ったとか、南部住民が豊かな北部から切り離されて行政サービスが低下することを懸念したからだといったものである。
これらを指して「シルバーデモクラシー」とか「大阪市の南北格差問題」という形で説明されているようだ。

高齢化率については以下の大阪市のサイトにわかりやすいマップがあったので、見てみてほしい。
確かに南部を中心とした周辺部が高齢化率が高く、反対票が多かった地域と合致する。
http://www.city.osaka.lg.jp/toshikeikaku/page/0000249886.html


南北格差については、別途マップを作ってみた。
こちらが大阪都構想で提示された5区の区割り。
(ピンクー北区、緑ー中央区、黄ー東区、オレンジー南区、青ー湾岸区)



経済格差の指標として、域内総生産額と税収で見てみる。これらを面積マップに置き換える。
 
(左から、人口、区内総生産額、税収額)
 
 
5区の区割りは人口を均等にすることを主眼に置いていて、経済力では北区と中央区に大きく偏っているのがわかる。特に税収の偏りが大きい。こういうマップが選挙前に出ていたら、もっと反対票が増えていたかもしれない。
 
しかし、果たして高齢者を中心とした大阪市民は行政サービスレベルが低下することが主な理由で反対したのだろうか?自分の地元で置き換えてみると、そんなこと(!?)より、「橋下氏が好き・嫌い」、「地域名称への愛着」のほうが大きいと思う。特に経済生産活動から離れている退職後の高齢者や専業主婦にとっては、役所の仕事の効率化・財政緊縮よりも、そういったことのほうが投票の際に大きなポイントになったのではないかという気がする。
 
橋下氏への好き嫌いは置いておいて、町の名称への愛着というのは、この手の選挙結果に大きく影響してきたといえる。自分の住んできた町の名称が消えるというのは住民に取っては一大事であり、特にライバルの隣町の名称が残って自分のところの名称が消えるとうのは我慢できないらしい。そこで生まれたのが全国で多発した「さくら市」「中央市」「湯梨浜町」などの意味不明(?)な名称をつけるか、巨大合併にして政令指定都市化して「区名」として旧街の名称を残すという方法であったように思う。長年仲が悪かった浦和市と大宮市が合併できたのは、政令市化して旧名称が残ったことと「さいたま市」というひらがな地名をつけたおかげであると思う。
(古くは北九州の合併も同じケース)
平成の大合併では、こういった妥協点がうまく見つからずに、小さい側の市町村が反対して合併・再編が流れたケースが非常に多かった。
 
ここからは推測になるが、反対した理由は区割りと名称を拙速につけてしまったことだと思う。
橋下氏としては都構想は行政組織の再編がメインテーマであったのだが、下手に区割りと名称を示してしまったので、住民は市町村合併と同じ地域名称の再編・区の合併と捉えてしまったのだろう。(特に政治に関心の薄い層ほどそうだった?)
 
ここで市町村合併の成功パターンを考えてみると、 人口・経済力の小さいほうの区のプライド(?)を保つように進めることであったと思う。具体的には
・区割りのパターンは示すときには、複数示してできるだけ明らかにしない。
・区の名称はA区、B区などとして合併決定後に住民投票と有識者会議で決める。
・経済力の小さいほうの住民がプライドを保てるような区割りにする。
 
大阪都構想の進め方は、これらのいずれのポイントも欠いてしまった。
 
3番目のものについては、ちょっと説明が必要だろう。町には昔からの「格」というのがあって、一般に城下町や古くから政治の拠点だった町が高く、商都や衛星都市は人口が多くても低くみられる。
そうすると人口が多い側と格が上の側のプライドが衝突して破談になる。
うまく区割りするには、「ここの町の一部にならなってもいい」という憧れや愛着の感情をうまく利用することだろう。
具体的には、大都市においては、郊外の人々は都心のターミナルに向かって移動することが多く、区域外であってもターミナル街には愛着や憧れがあることが多い。複数の都心があることと、この感情をうまく使って、鉄道の沿線区分で地域を分けるほうがうまくゆくと思う。
これを都心と周辺部で分けてしまうと、周辺部の横並びの地域が、「あの地域と一緒になるのは御免」とか「こちらに区役所がこないといやだ」といった争いが発生してうまくゆかない。
 
東京であれば、都心部と東西南北を分けるのでなく、新宿・池袋・渋谷・東京・上野・品川を起点とした6地域にして「都心+郊外」というパターンを守るようにするのが争いが起きにくいだろう。
昔から憧れていたターミナル街と一緒になるなら、仕方ないし嬉しい、という感情だ。
大阪についてはあまり詳しくないが、新大阪 - JR京都/阪急ゾーン、梅田-JR神戸/阪急阪神ゾーン、京橋-京阪ゾーン、天王寺-JR奈良/近鉄ゾーン、難波-南海ゾーン、などの区割りだろうか。
 
大阪都構想でも当初4パターンの区割りが示されていたようでそのうち7区分案の以下のパターンのものは、上記の論点からすると、今の5区案よりもベターだったように思える。

 

橋下氏としては、区割りや区名を示すことで分かりにくい「大阪都構想」というものを誰にでもわかりやすくする狙いがあったのだろうが、それが裏目に出しまったのではないか。
実際に、区割りについての不満は選挙前から上がっていたようで、都心部で都会的なイメージがあり既存の中心区の名前を継承した北区や中央区が賛成多数で、周辺区の合併になった東・南・湾岸区が反対多数になったという結果だった。

ちなみに、この7区案を先ほどと同様に人口・総生産・税収の面積マップで見てみると、以下のような感じになる。経済力の格差は5区案より抑えられる。


それにしても100年に一度の僅差の投票結果で逃したのは残念。コストを最小限に抑えて実施して、失敗したら元に戻せばいい、という割り切りで進めてほしかった。

[参考記事]
大阪都構想で問題になった大阪市の人口分布
大阪とニューヨークの類似点
文明の発祥の地 : エーゲ海と瀬戸内海


 

2015年5月18日月曜日

大阪都構想で懸案になった大阪市の人口分布

昨日、大阪都構想の住民投票が行われ、否決という結果がでて話題になっている。

そこで、大阪都構想に反対を投じた人は、大阪の南部に多かったということがわかり、「大阪の南北問題」を指摘する意見が出てきている(以下の記事の引用のように)。

「「大阪都構想住民投票」で浮き彫りになった大阪の「南北格差問題」」
http://bylines.news.yahoo.co.jp/furuyatsunehira/20150518-00045813/

上記の記事では、通常の地図で区別に賛成多数の区と反対多数の区を色分けしてあるが、
いつものように人口面積地図でマッピングしてみた。
(緑-賛成多数の区、ピンク-反対多数の区)

こう見てみると、賛成多数の区で人口が大きいのは城東や淀川区くらいで、他の人口が多い区は南側に偏っていることがはっきりしてくる。
他の大都市でもそうだが、都市化が進んだ地域は夜間人口が減ってドーナツ化現象が進む。
(近年はタワーマンションの出現で緩和されてきているが)
変革を求める都構想支持層は北部の富裕層に多かったと思われ、橋下さんの選挙戦略としては南部の票田の支持を得る施策が重要だったということか。

[クリックすると拡大]

なお、都構想の反対意見として「大阪市域は大阪府の中で3割ほどしか人口がないので、府内での発言力が減少する」というものがあった。(東京は23区が900万、多摩地域が400万で大半が23区域)
また、橋下氏自身も、選挙後に「100年視点で大阪を見たときに、大阪は市域の拡大に失敗したのが問題だった。堺をなんとかしたかった」と発言したそうである。

以下は、大阪府全体の市町村別の人口面積マップだが、この地図を見るとそのことがよくわかる。
※ 地図の北部と南部がゆがんでいるのは、隣接県の市町村との接続のゆがみです


[クリックすると拡大]

確かに、堺を取り込めれば大阪府の4割程度に人口シェアは増えてきて、状況は大きく変わったのかもしれない。堺の市長選のときに橋下氏は国政に忙しくて維新派は負けてしまった。その失策があとまで尾を引いたのか。

なお、堺以外にも東大阪、枚方、豊中などの大きな市がまだあるため。大阪と堺を足しても過半数は超えない。
大阪市が南北に分かれて、文化的に近い旧摂津地域と一緒になって独立するというシナリオも面白いのかもしれない。大阪北部、枚方、豊中、高槻、吹田などが一緒になれば、大阪府の人口の4割くらいに達することになることも、上の地図からわかる。

[参考記事]
東京都の人口分布 面積地図 (市区町村別,2013年)
日本の人口分布 市町村別 面積地図 関東地方版
大阪都構想が否決されたのは、高齢者でも南北格差でもなく、市民が市町村合併と受け取ったから!?
大阪とニューヨークの類似点
文明の発祥の地 : エーゲ海と瀬戸内海

2015年5月9日土曜日

Apple Watchで使えるアプリ!?

さて、Apple Watchがリリースされて2週間、だんだんとユーザーの皆さんは使い方が決まって来たころではないでしょうか。

わたしが使ってみて、これはある程度使えるかなと思ったWatchアプリをご紹介します。

1)電話
これはまず一番わかりやすい。人にApple Watchを見せびらかすときに、電話をかけてもらってWatchで通話する。
でも、話が丸聞こえになるので、実際にはiPhoneに転送して使うことになる。

2)マップでのナビ

Watchのマップ自体は画面が小さいのでちょっと見にくい。徒歩には使えるがドライブにはきつい。


使えると思ったのは、iPhoneマップとのナビ連動。
まず最初にiPhoneのマップで、目的地を検索

 
 そしてナビを開始(「出発」を押す)


すると、Watch側でこのようなナビ画面が始まる
 
到着するとこんな感じ

 
この機能、徒歩の時にしか使わないかなと思っていたら、運転時にも結構便利。交差点が近づくとWatchがぶるっと震えるので、曲がるときの見落としが防げる。
なお、これはGoogle mapではできないようなので、アップルのmapアプリを使わないといけない。
(Apple Watchを買って初めてAppleのMapアプリを使うようになった)
 
3)ミュージック
iPhoneで音楽を再生しているときに、リモコンとして使える。
混んだ電車やドライブ時にちょっと便利。
 

 
 
4)路線検索系のアプリ
わたしはNavitimeを使っています。
無料版では、よく使う時刻表を登録しておくと、現在時刻での一番早い電車が直ぐ見れます。
Navitimeの場合、6駅6方面まで登録できるので、通勤通学ルートなどを登録しておくといい。
 
 
多分有料版にするともう少し便利なのだと思いますが、まだ調べていません。
 
5)カメラ
単純にiPhoneでカメラを起動すると、Apple Watchにもおなじ画面が出てくる。
Watchのシャッターボタンを押せば本体で撮影ができるので、
自取りなどするときには、離れたところにiPhoneを置いてシャッターを押せる。


現在、こんなところを使ってみましたが、どれもiPhoneでできないことはない、というのが泣き所・・・。
 
 
[関連記事]
Apple Watchの使い方?
Apple Watchへのアプリのインストール方法

2015年5月8日金曜日

Apple Watchのバッテリーの持ち

さて、Apple Watchを使い始めてからちょうど2週間。
実際に使ってみて、以前からの懸案と見られていたバッテリーの持ちについて、どうだっか?

結論から言うと、今のところ全く問題なし。
普通に使っている分には、1日つかっていてもバッテリーがは70%くらいで、50%を切ることはほとんどない。
あえて言うことがあるとすると、
・最初に表示される時計画面に、バッテリー量を示すゲージがない。下からスワイプして専用の画面を出さないと確認できない。

[時計画面] 見慣れた電池マークが出ていない。充電すると雷マークが出るが、小さくて見落としやすい。

 
[バッテリー消費画面]
わざわざこの画面をスワイプして出さないと見られない


・充電するためのアダプターが取れやすいうえに、ついているようでも充電されていないことがある。そうすると、夜に充電して寝たつもりが全然充電されていないということがあり。

あとは、本体側のバッテリー消費がどちらかというと気になる。

前の記事でも述べたとおり、これまでbluetoothを常時ONにしていなかった人は、それをONにしないといけなくなるので、iPhone側のバッテリー消費が厳しくなる。
ただし、これはAppple Watchで情報を確認するようにしてiPhoneを開かないようにすれば、むしろバッテリーの減りは少なくなることもあるようだ。

・AppleWatchの大きな特徴である、"iPhoneの通知をWatchに表示させる”という機能を使うには、通知を発するアプリを全部動かしておかないといけない。(最初はなぜ通知が出ないのか・・・?と思ったが、何のことはない、当然だがiPhone側でメールやSNSなどの該当アプリを動かしていないと、何も出てこない。これまでバッテリー節約のためにできるだけ不要なアプリは落としていた人には、これもバッテリー消費の増加要因となる。

[関連記事]
Apple Watchの使い方?
Apple Watchへのアプリのインストール方法