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2015年12月20日日曜日

市町村ごとの所得の違いがわかる収入マップ(東京都)


お金持ちの住む市町村が統計データでわかる

市町村別に、世帯の所得がわかる統計が、政府統計で公開されている。
これまで、自治体別の所得がわかるような統計は官公庁からは出ておらず、民間の調査に頼らざるを得なかったので、この分野のデータを必要としていた人にとっては画期的である。

この情報は、総務省や国勢調査の情報として出ているのではなく、「平成25年住宅・土地統計調査」という土地利用調査の統計の一部として出てきている。つまり所得情報の公開が目的ではないのだが、所得と持ち家・賃貸比率の関係などを見るための統計の一部として公開されている。

この統計のデータの一部を活用すると、市区町村別の所得などが分ってくるため、エリアマーケティングの基礎データとして非常に有効である。
以下、いくつかの切り口で情報を集計してみたものである。

1.市町村別 平均所得(1世帯当たり)
千代田区の743万円と頂点として、都内で2倍以上の格差があることが判る。


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※ 平均所得については、公開されている統計情報からは直接的に得られない(統計では、世帯所得を100万円~200万、といった形で、9階層に分けて発表しているためである。このサイトでは、中央値(100万円~200万円の場合は150万円)を使用した概算である。なお、最上位階層は1500万円以上となっているため、この階層の代表値は2000万円として計算している。そのため、正確な値ではないが、おおむね正しい概算値が出ていると考えている。
なお、公開されているのは「世帯の」所得であり、「個人」の所得ではないことに注意。)

上のグラフとマッピングしたものである。
(赤 -黄色 - 緑 - 青 - 紫の順で平均所得が下がってゆく)

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これらを見ると、23区ではいわゆる高級住宅地がある千代田・文京・港・渋谷・目黒などと、ウオーターフロントの開発が進む中央、江東、品川の各区が高くなっていることがはっきりとわかる。
以外なのが多摩地区で、吉祥寺のある武蔵野市が高いのは納得だが、稲城の平均所得が高くなっている。一方で、大繁華街を抱える立川が最も平均所得で低くなっており、あきる野や青梅などの山沿いの地区より低い。
稲城は、平成になってからニュータウンの開発が進み高所得のニューファミリ層が多数移り住んだため、平均所得を押し上げているのだろう。逆に、立川は、所得の高い人も多いが低い人がそれ以上に多いため、平均を引き下げているものと思われる。

これらをさらに分析するために、以下の切り口で見てみる

700万円以上の所得がある世帯の数と割合は?

2)700万以上の世帯比率
高所得の基準を700万円と仮に設定して、700万円以上の所得のある世帯がどれくらいの割合を占めるかを計算した。これで、高所得世帯の割合が高い市区町村がよりはっきりわかる。





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これを見れば、いわゆる高級住宅街地区がよりはっきりわかるようになる。世帯の平均所得では多摩西部の山沿いの地域がそこそこ高かったが、平均ではなく上位の世帯が多いところを見ると、23区中西部と多摩地区の南部に限定される。23区の中央に近くても墨田区や中野区などは所得が低いことが判る。

マーケティング戦略の立案には、比率だけではなく絶対数で見ることも重要である。
以下は、700万以上の所得の世帯数の件数である。

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割合では都心部が高くなるが、絶対数では母数の人口が多い世田谷区が圧倒的に多くなる。
割合では低くなる足立区、江戸川区なども絶対数ではかなりの数があり、23区はおおむね多摩地区の市町村を上回る世帯数があることが判る。また、多摩地区の北部や西部では高所得の世帯の絶対数が少ないため、高所得者向けのビジネスは非常に厳しいことが良くわかる。

小売りや身の回りのサービス業など商圏の狭いビジネスでは、絶対数よりも「密度」が重要な場合がある。そのため、市町村の面積で世帯数を割った、「所得ごとの世帯密度」も計算したのが以下である。

3)世帯収入700万円以上の世帯密度


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前2つの集計方法で非常に低いランクだった立川も、所得別の世帯密度としては中位となってくる。住宅地がほとんどない千代田区を例外として、ほぼ一般の感覚に近いのがこちらのマップではないだろうか。

こういった統計が広く公開されるようになると、地域ごとのイメージがより明確にわかってしまうため、土地勘のない人にも地域の格付けがはっきりわかる。そのため、地域格差がより拡がることにつながるのではないだろうか。

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