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2014年4月18日金曜日

第二のウクライナは? モルドバ共和国と沿ドニエストル共和国

以前として、ウクライナの東部では一部ロシア人の自治権拡大活動により、緊張が続いているようである。

実は、ロシアは、旧ロシア帝国~ソビエト連邦時代に、連邦内各共和国に移民を進めていたため、クリミアと同様に多数のロシア人が済み、ロシアの干渉を招きそうな地域がたくさんある。

例えば、モルドバ共和国。ウクライナとルーマニアに挟まれたこの国は、ウクライナとの国境に近いドニエストル川の左岸地域に多数のロシア人が住むため、1991年のソ連邦解体後に旧モルだビア共和国がモルドバ共和国として独立した際に、ドニエストル川左岸地域が「沿ドニエストル共和国」として、事実上独立してしまった。(国際的には、多くの国が独立を認めていない)。

クリミア自治共和国のロシア編入に刺激されて、事実上の独立状態にあるこの地域がロシアに編入されるのではないかと、危惧されている。

モルドバ全体での民族別人口構成は、モルドバ人78.2% ウクライナ人8.4% ロシア人 5.8%、カガウス人1.9%である。

人口は沿ドニエストル共和国を除くと300万人、沿ドニエストル共和国が 63万人である。

その人口構成と地域分布を見てみると、以下のようになる。


[モルドバ人]
がガウス自治区と沿ドニエストル共和国以外では、多数派。

[ロシア人]
沿ドニエストル地域と、キシナウ(ロシア名:旧キシニョフ)に多い。

[ウクライナ人]
北部と沿ドニエストル地区に多い。

沿ドニエストル共和国では、ルーマニア(モルドバ)系が31.9%、ウクライナ系が28.8%、ロシア系が30.4%と3民族が拮抗していたが、ロシア人主導で独立してしまったということだ。
沿ドニエストル共和国が分離抗争を起こした時は、ソ連邦の解体の陰に隠れて、ほとんどニュースにならなかった。

南部のガガウズ自治区を除くと、各地区ともモルドバ人が多数であり、これ以上のロシアとの紛争は起こらなさそうだ。(ロシアから見ると飛び地でもあるので)

なお、モルドバ人はルーマニア人と同族で、モルドバ中世はルーマニアの一部であった。近世、トルコに支配されてからルーマニアの北部の平原の西部がモルダビア、東部がベッサラビアと呼ばれるようになり、ロシアとトルコの争いによって、東部のベッサラビアがロシア領となり、以降、ルーマニア領とロシア領を行ったり来たりしたが、ソ連になって旧ベッサラビア地区がモルダビア共和国となり、現在のモルドバとして独立した。モルダビアの西部はルーマニア領のままである。



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