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2014年1月5日日曜日

6次産業化の目的を改めて考える

最近、マスコミが一部の農家の取り組みを取り上げて、6次産業化の成功事例として紹介してトレンドとして持ち上げる報道が目立つ。最後は「TPP」に立ち向かう事例として、「外国にも輸出しています」、「日本の農産物でも努力している所は海外でも戦えます」、というトーンで終わるパターンである。
基本的に大半のマスコミはTPP賛成なので、TPPを進めても頑張っている農家は生き残るので問題ないですよ、と言いたいようである。
 
しかし、「そもそもなぜ日本の農業は残して行くべきなのか?」という所まで掘り下げてに論じている報道は少ない。

改めて国が制定した6次産業化・地産地消法の条文の「目的」を見てみる。
 


「地域振興」と「食料の安全保障」が掲げられている。
 
そこから考えると、新しい農家の形として良く取り上げられる、野菜工場や高品質フルーツ、こだわり酪農製品などは、国の農業政策の目的にはあまり沿っていないといえ、これらの農業分野が盛んになっても、国としての課題は解決されないことがわかる。
国土の保全と食料自給の観点からみれば、大事なのは水田と穀物(米、小麦)生産力の保全である。
野菜や高品質フルーツが沢山栽培されて外貨を獲得しても、米を作る人がいなくなって水田がなくなってしまえば、国としての目的は達成されないだろう。
野菜やフルーツでは1億数千万人の胃袋を非常時にささえることはできないし、水田が野菜工場やビニルハウス、観光農園になってしまえば、治水能力はなくなり日本の田園風景の景観も荒れ果ててしまう。
そもそもお土産用の高付加価値製品は、フルーツにしろ野菜にしろ乳製品や肉類にしても大した量を使わないので、国土の農業生産力の維持にはつながらないので、論じるべきなのは、大量に消費される、生鮮用や加工用・外食用の中級品であるといえる。

6次産業化をTPP推進の免罪符にして論じるのではなく、日本の食料自給率の維持と国土の保全という根本目的に向けて、どのような施策をとるのかを、論じてほしいと思う。

(ここまで視点を掘り下げると、農協の位置づけの見直しはもちろん、農地法の抜本的改正まで見直す必要が出てくると思うのだが、おそらくパンドラの箱をだれも開けたくないのか、政治家もそこまで言及することはほとんどない。先見性のある政治家や鋭い視点を持つマスコミが、このあたりに切り込んでみてほしいと思う。)



 

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