若者のアルバイト不足が話題になっているが、その先駆け(?)とも言えるすき家。
なんでも、仕込みや提供に手間のかかる牛鍋を導入した為に、バイトが連携して辞めたとか。ブラック企業の代表選手の一つだ。
最もそのずっと前から松屋や吉野家がやらない深夜のワンオペをやっていて、防犯上問題があると話題になったことがあった。
その裏で、すき家は高業績を上げて、狂牛病騒ぎ以来の味にこだわって不調に苦しむ吉野家と対比されていたものだ。女性客が多いとか、メニューが豊富とかで、持ち上げられていた。
ここ、好景気になってその矛盾が噴き出しているということか。
(余談だが、狂牛病やデフレという逆境に負けずポリシーを通した吉野家は偉い!)
さて、飲食業は人件費の占める割合が大きい。苦境のすき家はどうすべきか?
二つの生き残りの道があると思う。「マック化」と「スシロー化」だ。
マック化は、時間毎に違うメニューを提供する戦略だ。
マクドナルドは、朝の時間帯は「朝メニュー」しか頼めず、フライドポテトが頼めずにがっかりしたこともある人は私だけではないだろう。
あれは何故か?
マックの原価構造はしらないが、おそらく昼よりも粗利の大きいメニューを提供しているのだと思う。ハッシュポテトなんかはいかにも安そうだし、エッグマックマフィンとかもペラっぺらのハムしか入っていない。パンケーキとかは粉だから安いし。
牛丼屋の多くは朝メニューがすでにあるが、人件費の高い夜なども原価率が低くてボリュームのあるメニューに変えてしまうとか。でもそれだと調理法の教育とか大変なので、いっそ時間別に牛丼の価格を変えてもいい。朝と深夜は5割増しにして、そのかわり卵を付ける。
いずれにしても人件費を時間帯別価格に転化してしまう。
スシロー化は、キッチンの全自動化だ。
ご存知と思うが、100円回転寿しは、裏では全部機械が握っている。
表からは見えないようになっているのでわからないが。
牛丼もご飯に具を載せるだけだから、全部機械ができない訳が無い。
もともとすき家に来る人は暖かい接客など期待していないだろうから、徹底的に店舗を自動化して、その代わり設備投資を回収するために24時間365日営業させる。
もともと、すき家はライバルに対して低価格戦略をとってきた。どうせなら徹底的にそれを追求して、この苦境を乗り切って欲しい。
なお、個人的な意見だが、すき家のメニューは安すぎる。食農の仕事をするものとして、何か無理なことをしていないとあの価格で利益は出ない。ワンオペもその一つだが、材料は何を使っているのだろう?牛丼と言っても上に味の濃い添加物たっぷりそうなトッピングを山盛りにしてもはや別の丼もののようにして出している。おそらく硬くて安い部位の肉を柔らかくなるよう加工して、東南アジアの工場でレトルト加工して輸入しているのだろう。
なので、わたしは牛丼は吉野家派です。