転職を考えているあなた、悩むのが、経済面から見て転職が得なのか、損なのか、という点でしょう。
例えば、今手取り600万で働いている場合、700万の転職機会があるとする。
17%くらいの手取りアップ。10年で1000万くらいの差。それだったら、今の会社に残って退職金をもらった方がいいか?
でもちょっと待って欲しい。
ここで重要になってくるのが、可処分所得の考え方だ。
家計には、必ず出て行く固定的な支出と、使い方を考えて使える変動支出がある。
前者の代表が家賃であり、その他火災保険、生命保険、光熱費、最低限の食費などだ。
後者は、服飾費、娯楽費、外食費、交際費、車両費、旅行費などだろう。
結局、実質的に手元に残って使い方を考えられるのは、この変動支出の部分だけである。
実は生活の豊かさを感じられるのは、主にこの変動支出の多寡である。
例えば、住宅ローンが年200万、その他の固定的支出で、年200万とすると、400万は固定的支出で出て行く。と、残りは200万。
これで手取りが100万増えると、変動部分は300万、つまり1.5倍にもなる。
実感できる生活レベルとしては、かなり余裕ができて贅沢ができるようになるのである。
もちろん、増えた分は使わずに、ローンの繰上げ返済や財テクに回してもいい。
いずれにしても、給与上昇の割合よりはかなり生活の質があがるはずだ。
企業でいえば、年収は売上、可処分所得は利益。どちらが重要かといえば、手元に残る金、利益に決まっている。
売上が5%増えれば利益が倍に増えるようなものだ。
年収アップの価値は、可処分所得の増加で見るようにしましょう。
注)もし転職が上手くいって年収が上がったからと言って、固定的支出が増えるような贅沢はしないこと。高い車やマンションをローンで買うとか。給与が下がった時に「倍返し」でしっぺ返しが来ますよ。贅沢するなら、旅行とか服とか、ワンショットで後を引かないものにしましょう。