そこで、大阪都構想に反対を投じた人は、大阪の南部に多かったということがわかり、「大阪の南北問題」を指摘する意見が出てきている(以下の記事の引用のように)。
「「大阪都構想住民投票」で浮き彫りになった大阪の「南北格差問題」」
http://bylines.news.yahoo.co.jp/furuyatsunehira/20150518-00045813/
上記の記事では、通常の地図で区別に賛成多数の区と反対多数の区を色分けしてあるが、
いつものように人口面積地図でマッピングしてみた。
(緑-賛成多数の区、ピンク-反対多数の区)
こう見てみると、賛成多数の区で人口が大きいのは城東や淀川区くらいで、他の人口が多い区は南側に偏っていることがはっきりしてくる。
他の大都市でもそうだが、都市化が進んだ地域は夜間人口が減ってドーナツ化現象が進む。
(近年はタワーマンションの出現で緩和されてきているが)
変革を求める都構想支持層は北部の富裕層に多かったと思われ、橋下さんの選挙戦略としては南部の票田の支持を得る施策が重要だったということか。
[クリックすると拡大]
なお、都構想の反対意見として「大阪市域は大阪府の中で3割ほどしか人口がないので、府内での発言力が減少する」というものがあった。(東京は23区が900万、多摩地域が400万で大半が23区域)
また、橋下氏自身も、選挙後に「100年視点で大阪を見たときに、大阪は市域の拡大に失敗したのが問題だった。堺をなんとかしたかった」と発言したそうである。
以下は、大阪府全体の市町村別の人口面積マップだが、この地図を見るとそのことがよくわかる。
※ 地図の北部と南部がゆがんでいるのは、隣接県の市町村との接続のゆがみです
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確かに、堺を取り込めれば大阪府の4割程度に人口シェアは増えてきて、状況は大きく変わったのかもしれない。堺の市長選のときに橋下氏は国政に忙しくて維新派は負けてしまった。その失策があとまで尾を引いたのか。
なお、堺以外にも東大阪、枚方、豊中などの大きな市がまだあるため。大阪と堺を足しても過半数は超えない。
大阪市が南北に分かれて、文化的に近い旧摂津地域と一緒になって独立するというシナリオも面白いのかもしれない。大阪北部、枚方、豊中、高槻、吹田などが一緒になれば、大阪府の人口の4割くらいに達することになることも、上の地図からわかる。
[参考記事]
東京都の人口分布 面積地図 (市区町村別,2013年)
日本の人口分布 市町村別 面積地図 関東地方版
大阪都構想が否決されたのは、高齢者でも南北格差でもなく、市民が市町村合併と受け取ったから!?
大阪とニューヨークの類似点
文明の発祥の地 : エーゲ海と瀬戸内海
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